Qualcomm の Snapdragon チップセットを搭載する Googlebook は、これまで「Bluey」と呼ばれるリファレンスボードが中心となって開発が進められています。
すでに次世代の「Calypso」も登場していますが、この記事では「Bluey」についてこれまで確認されている開発コード名や仕様といった開発状況を紹介します。
更新情報
2026 年 8 月 5 日: 新たに「Meru」と「Pic」の開発が始まったため、追記しました。
これまでの更新内容
- 2026 年 7 月 31 日: 新たに「Annite」の開発が始まったため、追記しました。
- 2026 年 7 月 20 日: Mica が Dell の可能性が高まったため、追記しました。
Bluey は Snapdragon X シリーズを搭載する開発基盤
Qualcomm のチップセットを搭載する Googlebook の開発は、「Bluey」と呼ばれるリファレンスボードを中心に進められています。
当初、「Bluey」は Chromebook Plus になると考えられていましたが、ChromeOS と Android の統合プロジェクト「Aluminium」に関連するリーク情報などによって、Googlebook としてリリースされることが明らかにされています。
これまでの Chromium Gerrit などの開発情報から、 Bluey に搭載されるチップセットは、Windows 向けとしてリリースされた Snapdragon X Plus X1P-42-100 であることが分かっており、コードの記述から上位モデルとなる Snapdragon X Elite を採用する可能性も示されています。
また、Googlebook であることの裏付けとなる Glow Bar (ライトバー) に関するコードの記述も見つかっています。
Bluey から派生したモデルの開発
この「Bluey」を基盤として、実際の製品に向けた派生モデルの開発も複数進行しています。現在確認されている派生モデルには、「Quartz」、「Mica」と呼ばれる 2 つのボードがあります。
Quartz
Quartz は、Snapdragon X Elite を搭載するモデルとして開発が進められており、ハプティック対応タッチパッドを採用する可能性が示されています。
現在では、Aluminium OS のテストビルドや Geekbench で発見されたベンチマークに加えて、公式サイト上で「HP Googlebook 14c」という記載を確認したことで、HP のモデルになる可能性は確実となりました。
Mica
Bluey シリーズとして追加された Mica は、Glow Bar の搭載や OLED ディスプレイ、5G のサポートなどが示唆されています。
Panther Lake の「Fatcat」シリーズに Dell の候補がないことや、バッテリーの記述などから Dell になる可能性が示唆されていましたが、決定的な証拠はありませんでした。しかし、Android 17 Desktop ビルドの micauserdebug- というコードに紐づいたベンチマークから、「Dell XPS 13 (DX13267)」というデバイスに関連付けられていることを確認しています。
そのため、「Mica」が Dell の Googlebook になる可能性が高まりましたが、名称については公式情報などから確認できていないため、異なる名前になる可能性があります。
Anntie
Anntie は、7 月に入ってから突如として開発の始まったボードで、Mica から設計がコピーされて構築されています。
このコミットの中に「Mica 上で OS の正常起動を確認済み」という記述があることから、Mica と共通するメーカーのデバイス、つまり Dell のもう一つのデバイスである可能性が高いと考えられます。
現時点ではこれが確定しているわけではありませんが、もし Dell のデバイスだとすれば、フォームファクターやサイズの違いという可能性もあり得ます。
Pic
Pic は 8 月に入ってから開発が始まり、「Mica」の設計をコピーして構築されていることが確認できました。
現時点では詳細は分かっていませんが、バッテリーの型番や開発担当者などから、「Annite」と同じく Dell の Googlebook になると考えられます。
ただし、今後の開発状況次第では変わる可能性があります。
Meru
Meru も 8 月に入って開発が始まりましたが、こちらは HP 製の Googlebook となる「Quartz」から設計がコピーされています。
確認時点では、基本的なコードは Quartz のままとなっており、独自の仕様などに関する情報は得られませんでした。しかし、設計を担当している開発者が Quartz (HP) とは異なり、直近で Lenovo のデバイスを担当している担当者になっていることから、もしかしたら Lenovo の Googlebook になる可能性があります。
とはいえ、こちらも推測の段階であるため、今後の開発状況で変わることも考えられます。
次世代チップ「Calypso」の準備も進行中
Snapdragon X シリーズを搭載する初期モデルの開発が進む一方で、すでに次世代となる「Calypso」と呼ばれる新しいチップセットと、それを搭載するデバイスの開発も進められていることが確認されています。
当初、詳細については分かっておらず、開発コード上からは第 1 世代の Snapdragon X Plus / X Elite ではなく、第 2 世代相当 (Snapdragon X2 Plus / X2 Elite) になる可能性が示唆されていました。
しかし、その後の調査で「Calypso」は Snapdragon X2 Plus や X2 Elite に採用される 12 コアダイ「Mahua」の別名であることが明らかになり、予想どおり Snapdragon X2 世代のチップであることが分かりました。
まとめ
Qualcomm が Googlebook 向けにチップセットを供給することはすでに発表されており、初期のリリースパートナーとして Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovo の 5 社も発表されています。
開発状況からは、HP の「HP Googlebook 14c」と Dell の「XPS 13 DX13267」として、第 1 弾としてリリースされることはほぼ確実となりました。ただし、Dell のデバイスについては名称は正式に確認されているものではありません。