Qualcomm チップを搭載した Googlebook では、第 1 世代 Snapdragon X を採用する「Bluey」シリーズに続き、第 2 世代となる Snapdragon X2 を採用する「Calypso」シリーズの開発が進められています。
Calypso は Chromium Gerrit 上で SoC (チップ)とリファレンスボードの両方の名称として使われており、当初は Snapdragon X Plus をベースにした設計として発見されましたが、その後のコード更新で SoC ID が異なることが判明し、Snapdragon X2 世代のチップであることも明らかになりました。
この記事では、Snapdragon X2 を採用する Calypso シリーズについて、これまでの開発状況をまとめます。
「Calypso」は Snapdragon X2 (Mahua)
Calypso は 2026 年 3 月に新しい SoC として初めてコード上で確認され、既存の Qualcomm Snapdragon X Plus (X1P-42-100) のコードを流用した設計となっていました。
その後のコード更新で、Calypso には既存の Snapdragon X Plus (SoC ID: 53) とは異なる ID (54) が割り振られていることが確認され、別の独立したチップであることが分かりました。


この時点のコードから、Snapdragon X (第 1 世代) ではなく X2 (第 2 世代) 相当であることまでが分かっていましたが、その後に Calypso は Snapdragon X2 シリーズが採用する 12 コアダイ「Mahua」の別名であることが明らかになりました。
UFS PHY 初期化用のファイルで Calypso と Mahua が同列に扱われていることも確認でき、同一の初期化テーブルが両者に使われていることから、両者が実質的に同一のシリコンを指していることが裏付けられています。

Mahua は Snapdragon X2 Elite / X2 Elite Extreme の上位ダイ「Glymur」(18 コア) の下に位置するダイで、Snapdragon X2 Plus (X2P-64-100) や Snapdragon X2 Elite (X2E-78-100、X2E-80-100、X2E-84-100) として展開されています。
|
Product |
CPU コア |
CPU 最大周波数 |
CPU キャッシュ |
GPU |
GPU 周波数 |
NPU |
対応メモリ |
メモリ帯域 |
|
X2E-84-100 |
12 |
最大 4.7 GHz |
34 MB |
X2-85 |
最大 1.70 GHz |
85 TOPS |
LPDDR5x |
最大 152 GB/s |
|
X2E-80-100 |
12 |
最大 4.7 GHz |
34 MB |
X2-85 |
最大 1.70 GHz |
80 TOPS |
LPDDR5x |
最大 152 GB/s |
|
X2E-78-100 |
12 |
最大 4.0 GHz |
34 MB |
X2-85 |
最大 1.35 GHz |
80 TOPS |
LPDDR5x |
最大 152 GB/s |
|
X2P-64-100 |
10 |
最大 4.0 GHz |
34 MB |
X2-45 |
1.7 GHz |
80 TOPS |
LPDDR5x |
最大 152 GB/s |
|
X2P-42-100 |
6 |
最大 4.0 GHz |
22 MB |
X2-45 |
0.91 GHz |
80 TOPS |
LPDDR5x |
最大 152 GB/s |
これにより、Calypso を採用する Googlebook は Snapdragon X2 Plus または X2 Elite 相当のチップを搭載することになります。
開発が進められているボード
もともと、Calypso は新しい SoC の登録名として登場しており、この Calypso を採用したリファレンスボードに「Mensa」が割り当てられていました。しかし、その後の更新で Calypso が Soc 名とプロジェクト名を兼ねるように変更され、Calypso の下に Mensa が紐付けられるようになっています。
リファレンスボード: Mensa
Mensa は先行する Bluey の設計をベースにしつつ、Calypso 向けにカスタマイズされています。
これまでの情報では、ディスプレイ解像度は 1,920 × 1,080 (96 DPI) に設定されていることが確認できるほか、SD カードスロットと USB 経由のリカバリーへの対応も確認されており、microSD カードスロットの搭載が示唆されています。
リファレンスボード: c1nv
2026 年 6 月には、Calypso から派生する 2 つ目のボードとして「c1nv」の開発が確認されました。
仕様の詳細はまだ分かっていませんが、これまでのコードからは最大 16 インチ・テンキー対応、OLED パネル、コンバーチブル形状、デュアルファン、ARGB LED (ライトバー)、USB-C・HDMI といった構成への対応が示されています。
ただし、ディスプレイサイズやテンキーについては対応可能な最大範囲を定義している可能性があり、実際の製品では異なるサイズになることもあります。
まとめ
SoC とリファレンスボードの両方の名称を兼ねる「Calypso」が Snapdragon X2 世代であること分かり、現在第 1 世代 Googlebook として開発の進む「Bluey」シリーズだけでなく、次世代モデルもすでに開発に取り組まれていることが裏付けられました。
なお、「Bluey」シリーズについては、HP Googlebook 14c (Quartz)、Dell XPS 13 (Mica)、Annite の 3 モデルが確認されています。