MediaTek は 2026 年 9 月 21 日 (現地時間)、コンピューティング向けの新ファミリー「Dimensity CX」の第 1 弾として、Googlebook 向けの SoC「Dimensity CX C10 Max」を発表しました。
同日、Googlebook の第 1 弾モデルの予約が開始されましたが、これらには Intel または Qualcomm のチップセットを採用したモデルのみで、MediaTek は含まれていませんでした。
今回、MediaTek は「Dimensity CX C10 Max」を搭載した Googlebook を今後発表する予定であることを明らかにしています。
All Big Core 設計の 8 コア CPU と 11 コア GPU
Dimensity CX C10 Max は、TSMC の 3nm プロセスで製造されたチップです。CPU は Cortex-X925 が 1 基、Cortex-X4 が 3 基、Cortex-A720 が 4 基の合計 8 コアを採用しており、MediaTek はこれを「All Big Core」設計と呼んでいます。また、GPU は 11 コアを搭載しています。

この電力効率の高いアーキテクチャにより、マルチタスクや生産性、エンターテインメントなどにおいて優れたパフォーマンスを発揮しつつ、メーカーは薄型・軽量でファンレス設計のデバイスを開発し、終日使えるバッテリー駆動を実現できるとしています。
また、MediaTek は性能面において、Snapdragon X Elite (X1E-84-100) と比べてマルチスレッド性能が最大 15% 高く、シングルスレッド処理の消費電力が 50% 低いと主張しています。
なお、Dimensity CX C10 Max 仕様を見ると、コア構成やキャッシュ容量は Chromebook Plus 向けに発表された「Kompanio Ultra 910」と同じ設計です。
主な違いは LPDDR5X の最大転送速度が Kompanio Ultra 910 の 8,533Mbps から 9,600Mbps に引き上げられている点です。そのため、基本的な構成は Kompanio Ultra 910 と共通しています。
最大 55 TOPS の NPU で Gemini Intelligence を処理
AI 処理を行う NPU には第 8 世代の「MediaTek NPU 890」を搭載し、最大 55 TOPS の性能を備えており、INT8 / INT16 / FP16 / BF16 のデータ形式をサポートしています。
生成 AI やエージェント型 AI を想定した設計となっており、今後の Googlebook デバイスで Gemini Intelligence 機能をローカル処理することが可能となります。これにより、より高速な応答が得られるほか、プライバシー面での利点も得られるとしています。
ISP と通信の仕様
カメラ処理には ISP「MediaTek Imagiq 1090」を統合し、最大 32MP のカメラセンサーに対応します。
AI を活用した ISP により、高品質な HDR ビデオの撮影やスムーズなズーム、シネマティックビデオ、フォーカスの維持が可能で、ビデオ通話やライブ配信、コンテンツ制作での利用を想定しています。
通信機能としては、最大 7.3Gbps の速度に対応する Wi-Fi 7 をサポートし、混雑したワイヤレス環境でも高速で信頼性の高い通信を提供します。また、デュアルエンジンの Bluetooth 6.0 もサポートしますが、Googlebook では非対応とされています。
Lenovo の Googlebook に搭載
Google は 9 月 21 日に、Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovo の 5 社が手がける最初の Googlebook の予約受付を始めましたが、これらは Intel の Core Ultra シリーズ 3 または Qualcomm の Snapdragon X Elite を搭載しており、Dimensity CX C10 Max を搭載するモデルは含まれていませんでした。
しかし、MediaTek は Dimensity CX C10 Max が今後登場する Lenovo の Googlebook に搭載されることを明らかにしています。
これまでの開発状況やリークなどから、第 1 弾のリリースには含まれなかったタブレットタイプの「Lenovo Googlebook m (13”, 11)」に搭載されてリリースされる可能性が高いと考えられます。
このモデルは、もともと Kompanio Ultra 910 向けリファレンスボード「Tanjiro」から派生した「Sapphire」と呼ばれる開発ボードとして開発が進められており、現状では唯一のタブレットタイプかつ MediaTek のチップを採用した Googlebook になる見込みです。

